本番での検証

社内で基板を描ける人間がいて、ソフトもあるという事で、今の会社では初めて量産向けの基板を描く事になり、試作基板をKicadで設計している。仕様的には、200ピンちょっとのデジアナ混在基板、回路規模は小さいけれどアナログがちょっと気を使うもので、ミシン目接続の2種複合基板として、量産時にはこれを各2面付けの予定。
これまでも既存の回路図から数枚の基板を描いてKicadの確認をしてきたが、今回は実際の量産設計の流れに則っているので、途中での様々な設計変更があり、それらについてもKicadが対応できるか、良い検証が出来ている。
実戦での感覚としては高額な商用CADには及ばないものの、数百ピン程度の基板設計は十分対応できそうだと感じた。
設計変更に伴うネット変更や、フットプリント形状を更新したときの動作、回路ブロックの移動やシールド面の編集、異種複合基板の作成や機構的な基準位置の移動など、実際に起きる変更のかなりの部分を今回試すことが出来たが、大きな不具合無く作業することが出来た。
気にした事といえば、内部的な座標系がインチ系のため、荒いグリッドでブロック移動を繰り返さないように注意する事と、複雑な基板形状の変更や異型パッド&パターンがあった時にどうしようかと思うくらいだ。
KicadにはDXFなどのインポート機能が無いようだ。幸い、付属のGerbviewというガーバービューワからPCBNewのデータを作ることが出来るので、新規基板の際には他のソフトでDXF→ガーバー変換をかけて読み込めばよい。
ただ、Gerbviewのエクスポート動作を既存の基板ファイルに実行すると、ファイルとして上書きになってしまうため、設計データは全て飛んでしまうようだ。(これはBZE3044より前のバージョンの挙動で、BZR3044版では試していない)
Kicadのデータ形式は全てテキストデータで、フォーマットも公開されているので、いざとなれば別名で変更基板を作成し、テキストベースで編集も可能かもしれないが、このあたりについてご存知の方がいらしたら教えて頂ければと思う。
もっとも、そこまで複雑な形状変更や、特別な対応が必要なら、商用CADを使うほうが良いと思う。
(そうは言っても、開発MLでは等長配線なども話題になっている!今後のバージョンアップにも期待したい)
最後にもう一点、付属のフットプリントは穴径やパッド寸法が自動実装対応していないものもあるようだが、これはCADの問題ではなく実装機や実装工場の仕様、ノウハウにも拠るところなので、各ユーザーが確認すればよい。
それにしても、これが無料で使用できるのだから、本当に凄い。基板設計のノウハウはあるが、CADソフトが高くて買えない、高い更新料に悩まされている人には救世主となるかもしれない!
かも。


コメントは受け付けていません。