kicadの翻訳確認と動作確認を行っているが、大まかな設計の流れは大体確かめることが出来たと思う。やはり翻訳は良くないなと感じたので、当分修正が続くことになりそうだ。
現在までのところ、
- 階層を持つ回路図作成
- アノテーション(リファレンスの自動割付)
- Eeschemaのライブラリエディタ(コンポーネント作成)
- ネットリスト抽出
- Cvpcb(ネットリストへ基板フットプリントの割付)
- PCBNewでの基板外形作成、DRC設定、部品(自動)配置、配線入力、オートルータ
- 基板の面付け
をざっくり確認した。癖はあるものの、Eeschmaは良く出来ていると思う。Eagleより良いんじゃないだろうか。日本語化が効いているかも。
しかし、困ったことも幾つか。。
困ったその1:
回路図や基板にマルチバイト文字が入力できない?
何というか、、、仕方がないと思えなくも無いけど、インターフェースが多言語化対応しているなら、せめて回路図の図形テキストやコメント欄は多言語対応してもらえないだろうか。これは開発陣に訴える価値ありと思う。
困ったその2:
Kicad(PCBNew)には非スルーホール(バカ穴)という属性がない
2012-12-27 追記: BZR3256版より、モジュールエディタ(フットプリントの編集)画面内の「パッドのプロパティにて設定できるようになっています。以下は参考のため残しておきます。
これはかなり面倒だ。
開発者側はパッドで代用するか基板外形層に円を描く事を推奨しているようだが、パッドで代用する場合、Kicadの仕様により必ず
穴径<パッド径
で作成されてしまうため、仕上がりがメッキありのスルーホールになってしまう。
ジャック、コネクタなどの挿入部品でボスが立っている場合、パターンのクリアランスがとり難くなる事は想像に難くない。
また、バカ穴は機構的制約で設けることが多いため、移動禁止のロックをかけることが多いが、基板外形ラインにロックがかからない仕様なので基板外形で描くわけにも行かない。
モジュールを作成してアニュラリングを小さく取るしかないが、そもそも銅箔を設けたくない場合にどうすれば良いのか。。力技ならガーバーに落とし込んだ後で削除することも出来るが、発注前の忙しいときに多面付け基板でそんな事をしたら失敗の元だ。
穴加工→ドリリング、外形加工→金型orルーターが基本なのだから当然寸法公差も違うわけで、(基板外形で描かせるのではなく)穴という属性は持っていないとまずかろうに。
デベロッパー側にも過去に何度か問い合わせがあったようだが、未だに実装していないところを見ると対応する気が無いのかもしれない。
やはり「有料→お金を取る」という方法でない限り、ユーザーの意見は反映しきれないのだろう。
良く出来ている部分も多いだけに非常に残念だ。
「そこまで言うならちゃんとしたCADを買え!」という声が聞こえてきそうだ。会社にはそういう方向を推すかもしれない。
(あまり触っていないものの)自宅ではK2cadも入れてたりするが、こちらは懐かし(?)のpwsと良く似ているため、使い始めればサラサラと基板が書けると思う。protelよりはずっと使いやすそうだし。
それでもKicadを使ってみたい理由が別にあるのだが、それはまた別の機会に。。