既にあちこちに書かれていますが、CERN(欧州原子核研究機構)がKiCadの開発サポートを表明しています。
(※項目の日本語訳はKiCad.jpにあります)
CERNによるKiCad開発ロードマップでは、押し退け配線やDRC機能強化、ライブラリブラウザやUIの改善、STEPやIGES(3D-CAD用の中間データフォーマット)サポート、回路図上でのネット属性のサポートなど、非常に多くの改善が予定されています。
個人的には回路図側でのネット属性のサポートとSTEP、IGESのサポートに注目しています。回路図側で各々の信号にパターン幅やクリアランス(パターンの間隔)、作動信号や特性インピーダンスの属性を予め与えておけば、基板設計の際に回路図との往復が減り、より基板設計に集中できます。また3D-CADの中間データをサポートすれば、3D-CADから基板外形、板厚、大物部品の位置指定、配置禁止、配線禁止領域などのデータをやり取りして、現物作成前にケースとの干渉やリード線の引き回しなどを検討できます。
円弧、ティアドロップ、パッドのコーナーのR付けなど、まだまだサポートして欲しい機能はありますが、個人でちょっとした基板を設計、実装するには十分ではないでしょうか。日本語化も忙しくなりそうです。