KiCad 回路図用ライブラリ作成 No.1

検索エンジンでこのブログに来て下さる方の多くがKiCadのライブラリについての情報を求めていらっしゃるようですので、これから少しずつ書いていきます。

KiCadの「ライブラリ」の概念は下図のようなイメージです。
(※下図は回路図用のライブラリです。部品のランド形状「フットプリント」については別途まとめます 2012/09/17 追記)

 

 

KiCad_Library_1
同属の部品を1ファイルにまとめたものが「ライブラリファイル」(黒枠)で、この中に部品がたくさん登録されています。

1個1個の部品に相当するものはコンポーネントといい、青枠で示されているものです。コンポーネントには回路図上のシンボル図形(図柄)ピンの電気的属性(I-O、電源など)、部品の説明、検索時のキーワード、基板上で使うフットプリントなどを予め登録できます。

また、コンポーネントに対し、データシートなどのドキュメントを指定できます。回路図からデータシートなどのドキュメントにアクセスできます。このドキュメント指定は、ローカルのPDFやその他のファイルはもちろん、URL指定も可能ですので、うまく使えば社内部品データベースとのリンクもスムーズにできると思います。

ゲートICやOPアンプのように、内部に複数のユニットを持つ部品は、「ユニットの数」を指定してゲート単位の絵柄で登録できます。基板設計時に、パターンの引き回しの都合でゲートを交換することがあります。そういったときに便利な機能です。

NANDゲートやインバータのように、一つのゲートに複数の記述方法がある場合、ド・モルガン変換シンボルも一緒に登録することが出来ます。

また、同じ回路記号を幾つも登録しないですむように「エイリアス」機能があります。

図で言うと74LS00にエイリアスコンポーネントとして7400を登録し、個別登録の手間を省いています。さらに、エイリアスのコンポーネントには個別にドキュメントの指定が出来ます。

KiCadインストール時にもライブラリが付属していますが、自分流、自社流にカスタマイズする事で非常に便利に使うことが出来るはずです。

どんなCADでもライブラリの管理、運用方法で使い勝手が大きく変わるので、とても重要なポイントだと思います。